ナッキーが最初に名づけた名前は『聖美四中悪たれ伝を作る会』だったが、この名称は物語の冒頭でしか登場しない。メンバーは加入順に
北城尚子(きたしろ なおこ)
主人公。聖美第四中学校2年A組にやってきた転校生。裕福な家庭に生まれるが、双子の姉真理子が生まれつき極度に病弱であったため青森に住む祖父母に育てられる。愛称「ナッキー」。学業は学年全国トップクラスでその上運動万能、人望も厚い。中学ではソフトボール部、高校では女子バスケットボール部に所属。自身の体験から学生生活の大切さを伝えるべく中学教師を目指す。
岩崎祝(いわさき はじめ)
ナッキーが転入当時隣席になった縁で、最初の悪たれ団メンバーとなる。バスケットボール部に所属。身長は低いが敏捷な動きで交代要員として活躍。愛称「ばかめ」「チビ(高校に入り身長が伸びた為使われなくなった)」。学業は振るわなかったが、ナッキーと同じ瑞穂高校への進学を志し猛勉強の末に補欠入学。低身長を生かしたプレイを編み出し、レギュラーの座を勝ち取る。体育大学へ進学後もバスケットを続けていたが、全日本選手に選ばれる直前に網膜はく離を患い、選手をあきらめ教職の道へ。ナッキーを陰に日向に支える大切な存在となっていく。守という兄がいる。
五月野舞子(さつきの まいこ)
2年A組の副委員長。美術部に所属。ナッキーの転入初日に祝と共に校内を案内し、飛島を紹介する。僚一に長らく片思いしていたが、中3の夏祭りの夜ようやく告白、めでたく両思いとなる。ふだんはおしとやかだが、マールに失恋し落ち込んでいた僚一を叱りつけるなど、しっかり者のところがある。薬科大学へ進学。将来は田村病院の院長夫人。2歳下の妹 愛子がいる。愛称「舞ちゃん」。
小西初音(こにし はつね)
片思いしていた祝を取られると思い込みナッキーに文句をつけるが和解、メンバーとなる。家庭的な性格で、ナッキーに『日本一のお母さんになれる』と称された。中学校では家庭部に所属。高校2年のとき強姦され一時東京を離れるが、悪たれ団の友情と祝の兄・岩崎守の愛情で立ち直り、後に守と結婚する。
田村僚一(たむら りょういち)
2年A組の委員長。クラス一の秀才で病院のあととり。学業第一のまじめな性格で、ナッキー達の振舞いを当初は苦々しく思っていたが、体育祭仮装行列での大胆な格好を期に心を開き、メンバーとなる。医科大学在学中に舞子と婚約。愛称「委員長」。
沖田成利(おきた なるとし)
大阪から来た編入生。ナッキーたちが進級した3年F組にやってくる。自称『大阪の悪たれ』でナッキーたちのことを「鼻たれ団の間違いでっしゃろ?」とからかうが、後に意気投合しメンバーとなる。母久美子は幼少時に他界しており、トラック運転手である父と二人暮らし。高校・大学ではワンダーフォーゲル部に所属。ナッキーをめぐって祝と争うも、大学2 年の時、山での遭難事故で命を落とす。
その他の主要人物
飛島峻(とびしま しゅん)
3年生で美術部の先輩。画家志望。ナッキーの想い人であり、ナッキーの本質を早くに見抜いた人物。父青一(せいいち)は世界的に有名な画家。尚子に自作の絵を届けに行く際に交通事故に遭い、利き腕の右手が不自由となる。マールとのふれあいから左手で絵を描けるようになり、マールと婚約。マールの死後は世界を渡り歩きながら絵を描き続けている。3歳下の弟 遥がいる。
飛島遥(とびしま よう)
峻の弟。再婚した母親の連れ子だったため、峻との血の繋がりはない。事故の間接的な原因となった尚子を憎むも、後に和解。聖美第四中学校に入学後、祝を慕いバスケットボール部に入部。その後も祝の後を追い続け、大学在籍時には全日本選手に選ばれる。
北城真理子(きたしろ まりこ)
ナッキーの双子の姉。生まれつき病弱なため学校には通ってない。愛称「マール」。15歳で夭折した。
金田巌(かねだ いわお)
聖美第四中学校の国語教師で、2年A組の担任。あだ名は「ガマダ」。淑子先生に思いを寄せていたが、悪たれ団の活躍によりめでたく結婚できた。以後、妻の淑子と共にナッキーたちを温かく見守る存在となる。ナッキーが教育実習で聖美四中に帰ってきたときは指導教員を務めた(計算上、聖美四中に7年以上勤続していることになるが、現実では稀である)。
杉山淑子(すぎやま としこ)
聖美第四中学校の家庭科教師。金田と結婚し二児を授かる。後に退職。
高見沢正博(たかみざわ まさひろ)
瑞穂高校の教諭で、1年C組の担任。ガマダの大学の後輩。中学の時に姉を亡くしシスターコンプレックスになる。悪たれ団の策略も手伝い、堀内と結婚することとなる。
堀内知子(ほりうち ともこ)
瑞穂高校の養護教諭。婚約者を事故で失い、以後結婚する意思をなくすも高見沢に求婚される。眼鏡を外した顔が高見沢の姉に非常に似ているらしい。
北城未知子(きたしろ みちこ)
ナッキーの母。夫の誠士とは駆け落ち結婚だった。赤ん坊のマールが長く生きられないと知り、マールの育児に専念するためにナッキーを実家に預けた(このことは後々までナッキーの心の傷となっていく)。ナッキー14歳のときマールの余命が残りわずかと知り、ナッキーを引き取った。マールの死後、その精神的ショックから一時ナッキーをマールと思い込む。
北城誠士(きたしろ せいじ)
ナッキーの父。世界的なホテルグループ『ホテル・ユニオン』の社長。落ち着いた人格者で、家族を心から愛している。
岩崎家の人々
岩崎酒店を経営。婿養子で気弱な性格の父とパワフルなおかみさんタイプの母、長男・守(小説家の卵)と次男・祝の4人暮らし。